6月に見た映画の感想

6/1 犬王

メチャ好きだったし面白かった。

湯浅政明野木亜紀子くらいしか前情報を知らずに見に行ったのでどういう話なのか、前提知識があった方がいいか恐る恐るだったが、いい意味でこういう不安を吹っ飛ばされた。

口上から始まった本編は、序盤こそマトモな風であったが、異形と友魚が出会った辺りから様子がおかしくなり、最終的には室町時代に現代のエンタメを詰め込んだような愉快な映画に仕上がっていた。序盤は序盤で草薙剣を取り出した時の神々しさや、視覚を失った友魚の視界が、聴覚や触覚によって開かれる演出など心を動かされるシーンも多かった。厳島での法要では、琵琶法師の歌声の轟きに圧倒された。

異形と出会ってからは友魚は琵琶法師らしからぬ風体で、自分のやりたい表現に傾倒していくのだが、それがどれだけ奇妙でも、実際パフォーマンスではギターなどの当時にあり得ない音が鳴っていたわけだが、受け入れてしまう説得力があり、見ていて楽しかった。

残念だった点を強いて挙げるなら歌詞が聞き取りづらかったことがあるが、だからこそ鯨の合いの手が印象的にもなっている所もあり……。ただ前者の方がトータルの効用は高そう、

実際に歌詞つき上映もされているようだし。